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同期整流
- 同期整流とは、スイッチング・レギュレータの変換効率を高める回路技術。従来のスイッチング・レギュレータでは、ハイサイド・スイッチにパワーMOSFETや、ローサイド・スイッチにダイオードを使っていた。いわゆるダイオード整流方式である。このうちローサイド・スイッチに使っていたダイオードを、パワーMOSFETに置き換える技術を同期整流(synchronous rectification)と呼ぶ。
ダイオードをパワーMOSFETに置き換えれば、電力損失を大幅に低減できる。ダイオードを使った場合、この素子で消費される電力は、順方向電圧(VF)と流れる電流(I)で決まる。順方向電圧は、ショットキ・バリア・ダイオードの場合で0.5V程度。ここに3Aの電流が流れれば、1.5Wもの電力損失が発生する。
一方、パワーMOSFETの場合、この素子で消費される電力はオン抵抗と、電流の2乗の積で決まる。現在、低耐圧のパワーMOSFETのオン抵抗は数mΩ?十数mΩ。例えば10mΩとすると、ここに3Aの電流が流れても電力損失はわずか90mWで、ダイオードを使った場合の1.5Wと比べるとはるかに小さい。従って、スイッチング・レギュレータの電力損失を大幅に低減し、変換効率を高めることが可能になる。