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リップル制御

 リップル制御とは、スイッチング・レギュレータ(スイッチング電源)で使われるフィードバック・ループの帰還制御方式の1つ。2010年あたりから、スイッチング・レギュレータICで採用例が増えている制御方式である。

 リップル制御方式とは、出力電圧を監視し、設定したしきい値を上回った(下回った)ことを検出したならば、それをトリガーとしてスイッチング素子のオン/オフを制御するというものだ。しきい値を下回ったことを検出する「ボトム検出、オン時間固定方式」や、しきい値を上回ったことを検出する「アッパー検出、オフ時間固定方式」などがある。

なお、上側と下側に設定したしきい値のウインドウを利用する方式もある。これをヒステリシス制御方式と呼ぶ。  リップル制御方式では、エラー・アンプを使わない。コンパレータで出力電圧と基準電圧を比較して,スイッチング素子のオン/オフを制御する。

このため,エラー・アンプの周波数特性による遅れや,スイッチング動作の1周期分の無駄時間遅れが発生しない。応答速度は、出力部のLCフィルタで決まる。このため、非常に高い応答速度が得られるというメリットがある。

 ただし、コンパレータでのしきい値検出でスイッチング動作のタイミングを決めるため,スイッチング周波数が変動したり、大きなジッターが発生したりするデメリットがある。